宇宙基本法の成立を目指す動きが活発化してきた。日本の宇宙開発のありかたを根本から見直し、国民の安全・安心に寄与するものとすることを狙った法案を、与党は既に国会に提出している。民主党も独自の法案を今国会に提出できるよう、1月に組織横断的な検討チームを立ち上げた。与党の宇宙基本法草案作りにアドバイザーとして尽力した鈴木一人・筑波大学准教授(人文社会科学研究科国際政治経済学専攻)に、宇宙基本法の狙いを聞いた。
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| 第3回 内閣に宇宙開発戦略本部を |
(掲載日:2008年3月31日) |
| - これらの取り組みで日本のこれまでの“研究開発文化”が改まるとしても、それが宇宙利用の拡大につながるでしょうか? |
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| 鈴木 一人 氏 |
役所は、今ある予算を減らして宇宙に付け替えることはやらないでしょう。しかし、予算がプラスされるとしたらどうでしょうか? 例えば、情報収集衛星の研究開発費は最初、首相の考えで配分できる首相枠にありました。それが後になって必要に迫られ、宇宙予算の中に組み込まれていくことになったのです。これと同じ話で、各省庁が必要な宇宙利用をプレゼンテーションし、他の提案を打ち破って新たな予算を獲得できるとなれば、利用は拡大するはずです。
理想論では、内閣官房の中に設置される宇宙開発戦略本部が財務省から宇宙開発関係予算を獲得し、次に、文部科学省をはじめ、経済産業省や総務省、さらに農林水産省などの利用官庁が同本部に提案活動を行い、その予算を獲得するというのが最良の方策です。
しかし、そうやすやすと事は運ばないでしょう。そこでまずは、競争して獲得できる予算を戦略本部内に計上してみてはどうだろうか。そして、獲得した省庁に調査・研究させ、宇宙利用の可能性を検討させる。それが大きな効果を生み出すことが明らかになれば、当該省庁は各自で予算を確保することになるでしょう。競争獲得枠の創設で、宇宙利用の初めの一歩を踏み出させるわけです。この予算をどこから確保するかは課題ですが、そこは知恵の働かせどころでしょう。
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| - 各省の研究を受託する組織にも変化が必要ではありませんか? |
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無人宇宙実験システム研究開発機構(USEF)や大学宇宙工学コンソーシアムに期待を寄せています。例えば、農水省が予算を取りに行く際、JAXA案で提案するかUSEF案で提案するか選択できるようになれば、利用に焦点を当てた、よりよい提案が生まれてくるでしょう。宇宙開発関係予算がすべてJAXAに落ちるわけではないという環境を作ることが必要なのです。USEFなどに頑張ってもらい、JAXAには、競争意識を持ち、提案のできる組織に生まれ変わってほしいのです。宇宙開発関係予算が満足に増えない中、いつまでも過去と同じ対応をしているわけには行きません。こうした取り組みも必要ということです。
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