ホーム
ニュース
データベース
楽しむ科学
産学連携
国の政策
国際動向
ホーム
>
インタビュー
>
鈴木 典比古 氏「変革迫られる大学教育 -リベラルアーツの徹底目指し」
> 第3回「他大学と高校も変わらないと」
第1回
第2回
第3回
これまでに登場された研究者
インタビュー
オピニオン
ハイライト
テクノフロント
シリーズ「日本の安全と科学技術」
世界に誇る!日本の中小企業
レポート「科学技術政策世界の動き」
研究開発戦略ローンチアウト
地域からの新しい風
さきがけものがたり
科学者になる方法
特集・レポート
インタビュー
社会的な関心が高い分野、重点分野とされている研究を指導する方たちに、研究の意義や方法を聞きました。
鈴木 典比古 氏「変革迫られる大学教育 -リベラルアーツの徹底目指し」
少子化による大学全入時代を迎える一方で、大学で学び、身につける内容が厳しく問われる時代となっている。グローバル化で、日本の大学卒業者にも世界に通用する能力が要求されるようになった。現実は、入学試験の科目現象などで、むしろ大学入学時の学力はかつてより低下していると心配する声が高い。大学卒業者が身につけなければならない「学士力」の向上が叫ばれる中、いち早くリベラルアーツ教育の徹底という改革に手を付けた国際基督教大学の鈴木典比古・学長に、大学を取り巻く環境変化と取り組みの状況について聞いた。
第3回 他大学と高校も変わらないと
(掲載日:2009年4月30日)
- 新たな取り組みについての評価はまだ早いと思いますが、手ごたえはいかがでしょう。
鈴木 典比古 氏
第1期生が2年生になったばかりで、この学生たちが卒業するまでは評価はできないわけですが、学生たちが今年の冬学期にどのメジャーを選択するかというときに、われわれ教員がどのように対応できるかが当面のヤマ場となります。先日、全教員が学外のホテルに1泊2日の合宿をして、予想される学生の相談や悩みにどう対応するかを議論したばかりです。
メジャーによって人数の偏りが生じることが心配されるわけですが、現時点の調査の結果では、すべてのメジャーにそれなりの希望者がいることが分かっています。理系にも学生がどのくらい集まるか心配していたのですが、生物などの希望は多いという結果も出ています。まだ学生がイメージをつかみかねている分野も見られますが、実際のメジャー登録までにはさらに変化があることも予想しています。
従来のように6学科制で入学した学生は、それぞれの学科に所属意識があり、自分の学科に関係ある科目を受講していけばよいという安心感があったと思います。今の1、2年生にはそれがありませんから、自分で何でもやってよいという思いと、焦燥感や不安感が同居しているでしょう。ただ、学長としての感じでは、それが学生をアクティブにする方向で働いているように見ております。学生が新たな部をつくりたいと言ってくることが多くなりました。体育会系の運動部は種類が少なかったのですが、ハンドボール部、陸上部、卓球部といったクラブも最近立て続けに創部されました。大学としても学生の主体性を重んじる方針で学生生活もサポートしています。
特に社会を経験して入学してきた人たちは、大学教育に対する思い入れも強いですから「開放感が何とも言えない」と異口同音に言っています。何をやってもよく、やりたいことをトコトンできるし、現実にそのようにやれているからでしょう。
- 課題はありませんか。
ほかの大学もリベラルアーツ教育、雑木林型の教育を取り入れてくれればいいのですが。わが大学のほかにもいくつか新たな取り組みをする大学が出てきています。ただし、これらの試みは、われわれのように雑木林型教育システムを目指すと言っても、今までの体制、つまり人工植林の中に雑木林をつくろうとしているようなものと言えます。既存の学部や学科から定員を少しずつはがして新しいことをしようとしても、これはわれわれの試みとは似て非なるものと言えるでしょう。自然科学系をしっかり取り込むことができない、というのも一つの大きな限界になっているように見えます。
さらに高校、産業界も変わらないことには、今の矛盾した状態の解決は難しいと思います。大学が変わったとしても、高校が今のように進学指導に重きを置いて早々と理系、文系に分けてしまう教育をしていたら、いつまでたっても高校、大学の連携はうまく行きません。高校はリベラルアーツ教育の前期にあたるわけですから、仮に大学が変わったとしても高校の教育が変わらない限りできることには限界があります。
われわれの試みは容易ならざるところにあると言えます。キリで穴を開けているようなところがあります。しかし、この試みが失敗すると「学士課程教育の構築」は無理だ、となってしまうでしょう。恐らく文部科学省も大きな関心を持って見ているはずです。何としても成功させないわけにはいかないと思っております。
(完)
(
第1回
|
第2回
|
第3回
)
当サイトの過去の関連記事
インタビュー・金澤一郎・日本学術会議会長【社会の期待にこたえるアカデミーに】
第2回(2009年 1月 8日)【
よい提言出すために学習も
】
2008年12月9日レビュー【
日本は世界を向いているか
】
インタビュー坂東昌子・愛知大学名誉教授【21世紀の科学のあり方】
第1回(2008年8月18日)【
専門を超えた総合科目の楽しさ
】
第2回(2008年8月22日)【
環境問題との出合い
】
2008年 5月 2日レビュー【
日本にリベラルアーツは根付くか
】
2007年12月17日ハイライト・鈴木典比古・国際基督教大学 学長)【
21世紀こそ教養重視の大学教育を
】
2007年12月 7日ハイライト・アンヘル・グリア経済協力開発機構(OECD) 事務総長【
教育の質と公平性の向上目指し
】
2007年12月 5日レビュー【
15歳の応用力はなぜ低下しているのか
】
2007年11月14日オピニオン・日比谷潤子・国際基督教大学教学改革本部長【
国際基督教大学(ICU)の教学改革
】
2007年10月24日ニュース【
専門分野の選択は入学後に 国際基督教大学が新制度
】
2007年10月 1日オピニオン・相澤 益男・東京工業大学 学長【
多様性を創造の活力に
】
2007年 8月 8日ハイライト・有馬 朗人・元文部相・科学技術庁 長官、元理化学研究所 理事長、元東京大学 総長【
教育費と理系の待遇上げずに科学技術振興あり得ない
】
2007年 3月 6日ハイライト・小長谷有紀氏【
目的意識の共有で人文系と理科系の連携を
】
2006年12月20日レビュー【
リベラルアーツ(教養)との融合求められる科学
】
2006年11月27日オピニオン・引野 肇・東京新聞・中日新聞 科学部長【
日本の技術者は使い捨て
】
鈴木 典比古(すずき のりひこ)氏のプロフィール
1945年生まれ、68年一橋大学経済学部卒業、72年一橋大学大学院経済学研究科修士課程修了、78年米インディアナ大学経営大学院博士課程修了、経営学博士(DBA)、ワシントン州立大学経営学部助教授(国際経営・国際マーケティング)、82年同大学准教授、82年イリノイ大学経営学部助教授、86年国際基督教大学社会科学科准教授、90年同大学国際関係学科教授、92-93年ワシントン大学経営学部客員教授、95年国際基督教大学国際関係学科長、2000年同大学学務副学長、04年から現職。日本私立大学連盟常務理事、大学基準協会理事、同大学評価委員会委員長なども。「多国籍企業経営論」「日本企業の人的資源開発」「企業戦略と国際関係論」など著書多数。
ホーム
|
ニュース
|
データベース
|
楽しむ科学
|
産学連携
|
国の政策
|
国際動向
イベント
|
学会大会
|
研究職求人
|
研究・留学助成
Copyright (c) 2006-2012 JAPAN SCIENCE AND TECHNOLOGY AGENCY. All rights reserved.
このサイトについて
|
RSSについて
|
ご意見・お問い合わせ
|
ご利用条件
|
サイトマップ