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ホーム > 楽しむ科学 > 理科の探検 > 2008年9月29日「ゴムの木の樹液から輪ゴムができるまで」

理科の探検

"観る・知る・遊ぶ - 理科の楽しさを実感!!" をモットーに、理科の知識や実験・観察・ものづくりを紹介する月刊誌「RikaTan 理科の探検」の記事をご紹介します。

【 ゴムの木の樹液から輪ゴムができるまで 】

(掲載日:2008年9月29日)
左巻 健男 氏(法政大学 生命科学部環境応用化学科)
蔵之上 義史 氏(浜学園)

自転車のタイヤチューブを切れば輪ゴムになるよね

自転車のタイヤチューブを細く輪切りにすれば輪ゴムになると思いませんか。 1917年(大正6年)、輪ゴムや粘着テープをはじめとする包装資材、自転車関連のタイヤ・チューブなどの用品のメーカー、株式会社共和の前身は、共和護謨工業株式会社でした。その創業者西島廣蔵が自転車のチューブを薄く輪切りにしたものを考案して売り出しました。1923年のことです。さまざまなものを整理するのに大活躍。日本銀行が紙幣を束ねるのに採用しました。

輪ゴムの活躍の場は広がって、食品関係にも使われるようになり、自転車のチューブからだと衛生上問題になってきました。そこで、アメゴムを金型から筒状に押し出してチューブをつくり、そのチューブをとんとんと輪切りにして輪ゴムをつくりました。以下でもう少し詳しく見ていきましょう。


輪ゴムの原材料はゴムの木の樹液

左巻健男は、ホーチミン市からクチのトンネル(ベトナム戦争時代、北ベトナムの兵士がアメリカ軍と戦うために掘ったトンネル。ホーチミン市郊外にあり、観光名所になっている)に向かう途中、ゴム園に寄りました。

ゴム園は、ほとんどが赤道周辺、特に東南アジア諸国に集中しています。中南米原産のクワ科の植物であるゴムの木の幹に傷をつけるとそこから樹液が染み出してきます。これを受け皿に採り、何千本もから集めるのです。非常に地道な作業です。こうして得られた樹液をラテックスといいます。


ラテックスからアメゴムへ

ラテックスにアンモニアを加え、遠心分離器にかけて、ゴム成分が60%くらいになるように濃縮します。 これにさまざまな物質を配合して練り合わせます。 その配合物質の中でとくに硫黄は重要です。ゴムに硫黄を加えることを加硫といいますが、加硫して加熱したゴムは、温度変化に伴う弾性の変化が減少し、強さが増し、良く伸びるようになります。また、伸びても元にもどる弾力のある性質になります。加硫を行っていないゴムは、一度変形したら戻らないのに、加硫すると弾力性が増し、戻るようになります。加硫はゴムの実用化の歴史の中で画期的な発明でした。

アメゴムとは、文字通りアメ色をしたゴムです。ゴムの木の樹液からつくった天然ゴムは、もともとアメゴムにとても近い色をしています。わざわざ着色していない輪ゴムをイメージするとよいでしょう。そのアメゴムから輪ゴムをつくるのですから。 なお、緑色や赤色などの色がついた輪ゴムには、顔料が加えられています。顔料を入れなければ元のゴムの色の輪ゴムが、顔料を加えることによっていろいろな色の輪ゴムがつくられます。


アメゴムから輪ゴムへ

押し出し機という機械にアメゴムを入れてチューブ状に成形します。このチューブの内径はつくる輪ゴムの大きさによって変えられます。つまり、直径の大きな輪ゴムであれば内径の大きなチューブ、小さい輪ゴムであれば内径の小さなチューブがつくられるわけです。 ゴムチューブを機械で一定の幅に切断していきます。このときの幅によって細い輪ゴムから太い輪ゴムまでいろいろな輪ゴムをつくることができます。 後は、輪ゴムを機械で一気に洗浄し、乾燥させれば輪ゴムのできあがりです。できあがった輪ゴムは用途に応じて袋や箱につめられて出荷されます。


Rikatan 9月号 より転載


サイエンスチャンネル THE MAKING(64) 輪ゴムができるまで
  「サイエンスチャンネル THE MAKING」は、私たちの身の回りにある「モノ」たちのできあがる姿をビデオで追った「メーキング・ムービー」です。原料から製品に変わっていく驚きの映像をお楽しみください。

Rikatan 9月号 観る・知る・遊ぶ- 理科の楽しさを実感!!をモットーに、理科 の知識や実験・観察・ものづくりを紹介。RikaTanは理科好きを増やしたい先生方にも、理科好きな大人にも十分たのしめる、とても役立つ雑誌です。

9月号の特集は「輪ゴムを使った実験・ものづくり」。
輪ゴムを指に引っかけて飛ばすゴムてっぽう、割りばしてっぽう、カタカタ糸車・・・など、輪ゴムを使ったおもちゃで遊んだ経験はほとんどのヒトにあると思います。
身近な素材―輪ゴム。「のびる」「ねじる」「もどる」といった性質を利用して、いろいろなおもちゃづくりや実験に挑戦してみてください。

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