河岡義裕・東京大学医科学研究所教授ら世界各国の研究者39人は20日、英科学誌「ネイチャー」、米科学誌「サイエンス」に掲載した共同声明の中で、強毒性の鳥インフルエンザウイルスH5N1に関する研究を60日間停止することを明らかにした。
河岡教授らの研究チームとオランダの研究チームは、それぞれ鳥インフルエンザウイルス「H5NI」が、人間の間で感染力を強めるウイルスに変化する要因を突き止めようとする研究で最先端の研究成果を挙げている。一方、欧米では最近、研究成果がバイオテロに悪用されることを恐れる声が高まっていた。
声明は、これらの研究が世界的大流行を引き起こす危険に備える重要な研究で、なおかつ実験中のウイルスが外部に流出しないよう十分な対策を施した研究施設で行われていることを強調している。同時に、世界の政府、研究機関が最良の解決策を見つけるための議論が必要であることを認め、60日間自主的に研究を停止するとしている。
河岡教授は、鳥インフルエンザが人から人へ感染するようになるには、ウイルスがいつ、どのように変性するかを解明する研究で世界的に知られる。変性ウイルスが出現したとき直ちにそれに効くワクチン開発を可能とするために不可欠な研究とされており、同氏は2006年、ドイツのコッホ賞を受賞している。
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