| 【2011年12月19日 除染に力点移した政府 】 | ![]() |
先週末の新聞、テレビ報道は、政府による東京電力福島第一原子力発電所の事故収束宣言を大きく取り上げていた。収束宣言、つまり事故収束に向けた工程表ステップ2(冷温停止状態の達成)の終了とは何か、をあらためて確認してみる。
「放射性物質の放出が管理され、放射線量が大幅に抑えられている」状態が、ステップ2の達成目標とされている。このためにまず必要とされたのが、原子炉を「圧力容器底部の温度が概ねセ氏100度以下の冷温停止状態」にすることだった。原子力災害対策本部政府・東京電力統合対策室が16、17日公表した「東京電力福島第一原子力発電所・事故の収束に向けた道筋ステップ2完了報告書」
と「同進捗状況のポイント」
によると、圧力容器底部の温度は、1号機が38度、2号機が68度、3号機が64度といずれも目標を達成している。
放射性物質(放射性セシウム)の放出量はどうか。原子炉建屋上部の測定結果からの推定値は、1-3号機合わせて1時間当たり約2,000万ベクレル。これがこの先1年間続くと原発敷地境界の被ばく線量は、年0.1ミリ以下と算定された。平常時の一般人の許容被ばく線量は、原発敷地外で年間1ミリシーベルトだから、こちらも1桁低いところまで抑えられている、ということだ。放射性セシウム以外の希ガスについては、極めて小さい値だとしている。
野田首相は16日、記者会見を行い、今後の課題として除染、健康管理、賠償の3点を挙げ、「避難している住民が以前の生活を再建できる環境を1日も早くつくりあげる」と語った。避難区域の見直しを近く提示することも明らかにしている。こうした対応で最大の鍵になるのが除染であることを明言し、3万人以上の作業員を確保する、との計画も示した。
こうした決意について異論のある人はいないと思われる。だが、前段の「事故そのものは収束に至ったと判断される」と言い切ったことについてはどうだろう。放射性物質の大気中への放出が事故時に比べ、約1,300万分の1に抑えられている。こうした原子力災害対策本部政府・東京電力統合対策室の報告に一定の安心感を持っても、放射能汚染水の管理など、まだ容易ではない課題が残されているとみる人は多いのではないだろうか。
「東京電力福島第一原子力発電所・事故の収束に向けた道筋ステップ2完了報告書」
では、さまざまな海洋汚染の拡大防止策がとられたことが報告されている。一方「汚染水の海への安易な放出は行わないものとする」「海洋への放出は、関係省庁の了解無くしては行わないものとする」など、今後も、意図的な放出があり得ることを伺わせる記述もみられる。


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